いよいよカネ余りバブルの末期の兆候があちこちに。確実に近づいてはいるが金融崩壊は今じゃない。
僕はかなり手広く資産の値動きを日々見ています。マーケットに表現される人間心理が好きだからです。手広く見た上で、アクティブな投機行為はドル円と日経平均のみで日々の値動きから安定的にわずかばかりの利益をコツコツ積み上げています。
今、あちこちでバブルが叫ばれています。世界主要都市の不動産バブルを始め、米国ハイテク株、ビットコインなどの仮想通貨、日本ゲーム株、IPO、パラジウム、などなど、挙げればキリがありません。個別にうんぬんというより、世界中あちこちであらゆる資産クラスの急騰が見られます。
本質はマネー量自体のバブルです。量的緩和として欧米日中の中央銀行がマネーをじゃぶじゃぶ溢れさせ、銀行を介して国民に貸し付けまくる。世界経済の成長は明らかに止まっているのだからその中でマネーが生まれてくるのは借金によるレバレッジ効果です。世界にはうなるほどカネがありあり余っている。全体としては成長が無い中で、数少ない勝ち組に資金が集中しマネーの遍在を起こしている現象がどんどん起きています。これは2008年リーマンショックの前にも見られた現象です。象徴としては原油があり得ない価格まで買い上げられた。当時はサブプライムローンに象徴される不動産価格の急騰でその不動産を担保にカネを借りて再投資するレバレッジが主役でした。穀物資源も高騰し、実際に世界では食べるのに困った人々が出ていました。人の生活に影響するものまで価格が上がり始めて人の生活に支障が出てくるとバブルははじけるのかもしれません。現在はビットコインなど仮想通貨が当時の原油に代わる象徴急騰資産でしょう。ビットコインの微妙なところとしてはビットコイン価格が上がったってそれで生活に困る人はいないので、まだバブルとしては深刻度が低い。波及する時は、ビットコインバブルに大量に人が乗っかって資産家が大損し、不動産価格下落につながる可能性はあります。
そんな中、マネーが余り始めてカネが腐り始めた事例が多数出てきています。世界最大のユニコーン企業と言われるウーバーが良い例でしょう。せっかくの革命的企業が経営陣の腐敗で崩れようとしています。事業で使いきれないほどのカネを集めてしまい、カネが腐ってしまった事例です。そんな事例に事欠かなくなりました。まだまだ増えるでしょう。
世界全体のマネー量は間違いなくバブルです。あらゆる資産クラスでギャンブラーたちが上がっては売り抜けて徘徊しています。安く買って高く売る、なんて生易しいものではない。狙いをつけて安く仕込んで素人に高く売りつける、そんな風だと思います。そして素人がどんどんババを引かされてまたマネーの偏りが進んでいきます。日本の個人投資家は今の仮想通貨マーケットには十分に気をつけてもらいたいです。
バブルは常に仕組まれます。盛り上げて価値を吊り上げて情報弱者に売り付けてやろうとあの手この手で演出する。世界中のあらゆる資産クラスが仕手株化しているのです。バブルがはじけない為にはこの仕手たちが勝ち続ける必要があるのですが。ずっと勝ち続けることはあり得ないので、やはりどこかでレバレッジ解消の金融崩壊は起きます。それはどんどん近づいていると思います。
リーマンショックの時もそうでしたが、バブル崩壊の前には数ヵ月前に国債金利の急騰が見られます。レバレッジ経済の中ではみんな借金で投機しているようなものなので崩壊初期で資金繰りに行き詰まりジャンク債からどんどん不良債権化します。金融当局もこれを熟知しているので国債を買って金利上昇を抑え込んでバブル崩壊を阻止している。これがいつ崩れるのか、タイミングだけの問題です。ただ、これが表面化してから既にもう何年も経っているので金融技術も進歩しているということです。しかしいつか来るのは間違いない。しかし今では無い。
今投資を行う人、マーケットに関わる人は、バブルと知りつつ乗っかって勝負する世界にいるのですね。
目先、米国ハイテク株がバブル崩壊か?と言われますが、まだまだしぶといと思います。月曜日に日本株が下落したのは健全な動きで好感が持てます。月曜調整したお陰で、日本株は今週木金の金融イベントをきっかけとして再度上昇基調に入る可能性を持つことができたと思います。今日当たりどこかで僕も日経平均を少し買いで入るかもしれません。